またたく数字。
LEDを使用し1から9までの数字が
絶え間なくカウントしている作品で知られる宮島達男氏。
そんな宮島氏のLED作品をずらりと見ることができる
「宮島達男 | クロニクル1995-2020」に行ってきました。
わたしが宮島氏の名前を初めて知ったのは
直島の「家プロジェクト」について書かれた記事だったと思います。
1998年に直島で始まったプロジェクトは
空家になった家を改修し、アート空間に変えていくもので
確か雑誌「太陽」で見たような気もするのですが
とてもワクワクしたことを覚えています。
その中の第一弾「角屋」という作品が宮島氏のものです。
実際のものをまだ見たことがないので、いつか…!と思っています。
そんな宮島氏のLED作品とはよく遭遇するのです。
韓国のアラリオ美術館にも展示されています。
今回の展示はわたしが今まで見たことのなかった
大掛かりな作品があったり、参加型の作品もあったり
とても面白い内容でした。
千葉市立美術館の建物の特徴をいかした作品もありました。
いくつかの作品は撮影可能でした。
撮影禁止の作品の中に「地の天」という
巨大な円形の中に197の青い数字の光が散りばめられた
宇宙を思わせる作品がありました。
天体図を見ているかのような作品で、恩師である榎倉康二氏への追悼の意が
込められたものだそうです。
ずっと眺めていると吸い込まれそうになる静かでダイナミックな作品でした。
そして「Deathclock for participation」という
参加型の作品もインパクトがありました。
展示室にあるパソコンに自分の生年月日と死ぬ日付を入力し
パソコンのカメラが自身の顔を撮影すると
その日までのカウントを始める写真が壁に投影されるものです。
死というものがあまりにも近く感じられる昨今
この作品が問いかけるのは「価値ある生へと動きだす時間の流れ」だそう。
カウントされる数字のあまりにも早い速度に
何を考え、何を思うか。とても意味深い作品でした。
独特な建築である千葉市立美術館。
「さや堂ホール」というホールがあるのですが
そこを存分にいかした作品がこちらです。
まるで神殿の中にある浴場みたい。
一瞬自分がどこにいるのかわからなくなる感覚です。
正方形の部分には数字が投影されていて
そこに自分が入りこみ、数字を自身に映したりしながら鑑賞します。
でも少し離れたところからこうして鑑賞するのも素敵です。
この空間も素敵で、美術と演劇、音楽などとの
コラボレーションがあっても楽しそう。
光と闇、数字が語りかけてくること。
鑑賞しながら脳は静まったり、忙しく何かを探ったり
とても面白い時間を過ごすことができました。
ミュージアムショップでは数字のキーホルダーがあったので購入。
1から9までの数字のプレートが何色かあります。
わたしは「4」「8」にしました。
こういう選び方しちゃうんですよね…。
ミュージアムショップも明るい空間に生まれ変わったし
ちいさなカフェもできてますます好きな美術館になりました。