ひとりかふたりの時間。
五日間の滞在で訪ねた喫茶店は
けっこうな数になりました。
思いがけず喫茶店巡りの旅になったのは
訪ねるお店がどこも心地よく
お店の方が勧めてくださるお店をまた訪ね…
気づけばお腹がちゃぽんちゃぽんでした。
(よくいるみたいです、こういう旅行客)
わたしが訪ねた喫茶店にはいくつかの共通点がありました。
・お白湯が出てくること
・いい本があること
・ひとりかふたりで過ごす空間であること
お白湯は喫茶店に限らず
食事をしたところでもお白湯が出ることがありました。
気になってお店の方に尋ねたところ
寒くなるとお白湯を出すようになった…と。
実はこれ、韓国のカフェでも何軒かあったので
もしかしたら寒いところではよくあるのかもしれません。
(北海道とかもそうなのかな?)
このお白湯が実はすごく良くて
冷めてしまってもまろやかなんです。
お湯とお白湯は違う!とその違いを感じました。
そしてだいたいどこのお店にも
良さそうな本がありました。
その本からそのお店のオーナーの好きなものや
お店の物語を知ることができるような気がします。
思いがけず面白い本に巡りあえる楽しみを
盛岡の喫茶店は珈琲に添えてくれました。
小説だけでなく、写真集や料理の本など
思わずタイトルを控えた本もいくつかありました。
本を持っていかなくても本がある。
嬉しいです。
どこのお店も決して広い空間ではなく
そしてワイワイやるような感じではありませんでした。
だけどひとりで本を読む、手帳を書く
何か考え事をする、ふたりで静かに珈琲やお菓子を楽しむ…。
濃密な時間を約束してくれるそんな空間でした。
もちろんオーナーの方に何か尋ねれば
快く教えてくださるし、居心地はとてもいい。
だからこそ、ワイワイおしゃべりをしたり
写真を撮ることばかりに夢中になるのではなくて
撮るのであれば許可を得て
流れる空気を揺らさないように気をつけて
過ごしたくなるお店が多かったです。
喫茶店やカフェで過ごす時間がとても好き、という人は
たくさんいると思います。
盛岡の喫茶店はそんな人たちの心を満たすお店が多いです。
街もひとり旅するにはとてもいい大きさだし
川が流れ、美しい山並みが見えて、夜は星も見える。
ちょっと疲れた気持ちでいる人にも
とてもいい安らぎをくれると思います。
少し時間の流れをゆっくりさせたい。
そんな気持ちにはぴったりな盛岡の旅でした。