なんて言ったら…。
お風呂から出て、ちょっと涼んでた時に
NHK「風の電話」が始まって
なんとなく見始めたんだけど…。
明日で震災から5年。
もう5年じゃなくて、まだ5年なんですよね。
大槌町のある場所に
電話ボックスがあって、そこにはつながってない
黒電話が置いてあるんです。
その電話のもとに、震災で大切な人をなくした人がやってきて
「会話」をする、というのが「風の電話」だそうです。
個人のお庭にあるということにも驚きでした。
悲しみや淋しさは、それ同士を比べて
どっちのほうが悲しいとか、はかれるものではないです。
それぞれの家族がそれぞれの喪失感と
どう向き合うかに悩んだり、乗り越えようとしたり
そんな姿がそのままうつっていて
言葉が出ませんでした。
ある家族のお母さんは
「もう5年っていうけど、もうじゃない、まだ5年」って。
当事者にとって、もう、なんて
言ってほしくないだろうな、って思いました。
まだ中学生くらいの息子さんは
「学校でお父さんの話になるとみんな気をつかうんだよ…」って。
そういうことが余計に悔しさや悲しみを
感じさせるのかもしれない。
まだ家族が行方不明の人もいっぱいいる。
あの日、たくさんの人がそれぞれの場所で
怖い思いをしたり、途方にくれたりしたけれど
普通の暮らしに戻って、日常を送れることは
奇跡なんじゃないかな、って思いました。
そういうことを有り難く思え!とかじゃなくて
今いる自分の場所を大事にしないといけない、と。
いつどうなるかわからないから。
今日会えた人に明日も会えることを
当たり前って思ったらダメだなって。
明日で5年。
あの日おきたことは小説やドラマの中のことじゃなくて
現実におきたことだ、って改めて思いました。